駒大苫小牧出場辞退にみるダブルスタンダード

駒大苫小牧出場辞退とのことです。
その反応として「「懲罰」の意味を考えろ」とか、「前回の不祥事の指導がなっていない」などの「大人」の反応が聞かれる一方、「1,2年生に関係ないところで起きた事件の責任をとらされてかわいそう」というもの。僕も正直かわいそうだと思し、それ以上に事件の反応の仕方が気になる。


というのも今回の社会参加年齢のズレのギャップで起きた事件だと思うからだ。確かに現行法では合法的に飲酒・喫煙できるのは20歳になってから。成人式も一応20歳だし、選挙権が与えられるのも20歳になってから。
でも運転免許は18歳以上。性産業で合法的に働けるのも18歳以上。そして何より大学入学年齢は多くの場合18歳。当然入学すると18歳でも新歓コンパで飲酒・喫煙しているのは公然の事実。
実際「あなたは18歳だから飲んではダメです」って居酒屋追い出される光景は見たことない。

すなわち日本では社会参加年齢が18歳と20歳で2つ設けられていて、そのズレ(ダブルスタンダード)について放って置かれている。

今回の事件ではおそらく部員は18歳だろうから飲酒・喫煙していてもおかしくはない。(大学生ではなく高校生だから事実上の飲酒が認められる年齢である同じ18歳でもダメという意見があるかもしれないが、それもダブルスタンダードだろう)それをたまたま駒大苫小牧の野球部員だから取り締まるっていうのは矛盾しているように思う。見せしめ以外の何者でもない。

今回のように杓子定規に法で取り締まるなら、普段から脱法行為を逐一取り締まればよい。そんなこというと「タテマエとホンネ」なんて「大人」はいうかもしれないが、自分の都合が悪くなると「タテマエとホンネ」、自分の都合の良い時は「厳正にルールをあてはめる」。

そうした「大人」の矛盾や先ほど述べたダブルスタンダードが存在していることを考える方が、「懲罰」の意味を考える(というより「懲罰」の意味を考えろ!と噴きあがる)よりも先だと思うのだが。あと野球児になると「大人」のモラリズムが肥大化するのは気のせいか。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060303-00000123-mai-spo

「今回のことは選手に関係はない」。昨夏、不祥事が起きた時、こう言って香田監督は再発防止を誓った。だが、今回の問題を起こしたのは当時、「優勝取り消し」の危機を味わった3年生部員。その上級生が1、2年生の甲子園出場の扉を閉ざす結果となった。
 部を離れた3年生の不祥事では、過去には84年にひき逃げ事件で函館有斗(北海道)、87年に負傷者が出たけんか事件で東海大浦安(千葉)が、それぞれ次代のチームがセンバツ出場を辞退している。04年に部員登録の規定を改正。手続き的に3年生は卒業日まで監督に指導責任を負うことになった。日本高野連によると、その後、3年生の不祥事で、新チームが対外試合禁止処分を受けた例はないが、「卒業するまで部員」の考え方は変わっていない。
 その点で、「不祥事を起こしたのは、卒業生だったのに」という同情論には納得できない。今回3年生部員が起こした軽率な行動の裏には、「部にいる間は、不祥事は起こさない」との発想があったからではないか。だが、高校野球の目的は「選手を自らを律する社会人に育てる」ことにもあるはずだ。
 脇村会長は今回のことを、痛切な教訓を指す「頂門の一針」と例えたが、無関係の現役部員ばかりが痛みを味わう悲劇を、二度と繰り返さないためにも、学校は対外試合禁止や警告などの「懲罰」の意味をもう一度考え直して欲しい。【加藤敦久】
毎日新聞) - 3月3日22時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060303-00000011-yom-spo&kz=spo

昨年夏の全国高校野球選手権大会で2連覇を達成した駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の篠原勝昌校長は3日、同校で記者会見し、3年生の野球部員らが飲酒、喫煙をして補導されたとして、選抜高校野球大会(23日開幕)への出場を辞退することを表明した。6日にも、日本高等学校野球連盟(日本高野連)に辞退届を提出する見込み。

 また、香田誉士史(よしふみ)監督と佐々木宣昭部長は学校側に辞任届を提出し、受理された。篠原校長も辞職願を出した。

 同校では、昨年6月と8月に当時の野球部長が3年生部員に暴力をふるっていたことが、2連覇達成後に発覚している。

 記者会見などによると、野球部員10人を含む3年生14人が1日の卒業式後、午後9時ごろから苫小牧市内の居酒屋で飲食。ビールなどを飲み、一部は喫煙もしていたという。部員らが騒いでいたところ、甲子園出場選手がいることに周囲の客が気づき、午後10時50分ごろ、北海道警苫小牧署に通報。同署員が部員らを補導した。関係者によると、補導された部員のうち5人ほどが、昨夏の甲子園でベンチ入りしていたという。

 日本高野連の規定では、3年生部員は「引退」しても、卒業日まで部員として登録される。

 昨年8月22日に発覚した当時の野球部長による暴力問題では、野球部長は解任されたが、同校の全国優勝は有効と判断された。今回の選抜大会出場辞退について、篠原校長は「昨年あれだけ世間を騒がせた。もう言い訳はきかない」と述べた。

 駒大苫小牧野球部は1964年創部。甲子園には春2回、夏5回出場している。今春の選抜大会では、史上5校目の夏春連覇を目指すはずだった。

 駒大苫小牧は3日午後、電話で日本高野連に出場辞退の意向を伝えた。日本高野連は、6日に臨時の大会運営委員会を開き、出場辞退を受理する。代わりに、昨秋の北海道大会で準優勝した補欠1位校の北海道栄高校(白老町)を選出する予定。駒大苫小牧の処分については、8日に予定される審議委員会で検討する。

 大阪市の日本高野連で記者会見した脇村春夫会長は「選抜大会を盛り上げると期待していただけに、誠に残念。1、2年生には関係ないのに厳し過ぎるという意見もあるが、出場辞退はあくまで学校サイドからの申し出」と述べた。
(読売新聞) - 3月3日23時28分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060303-00000110-mai-spo

センバツ>史上5校目、夏春連覇の夢消える 駒大苫小牧

 開幕まであと20日に迫った3日、駒大苫小牧が昨夏に続く不祥事でセンバツの出場を辞退した。前部長の暴力行為が発覚して6カ月余り、さらに日本高校野球連盟が出場校に綱紀粛正を呼び掛けてわずか1カ月後に繰り返された不祥事だった。「誠に残念。センバツをもり上げる大きな力と期待していた」と苦渋の表情を浮かべた脇村春夫会長。夏の教訓は生きず、史上5校目の夏春連覇の夢は消えた。
 ◇卒業式までは「現役部員」…高野連の規定
 「改めて通達を出す必要があると考えている」。駒大苫小牧の出場辞退を受けた会見で脇村春夫会長は語気を強めた。今大会の出場32校が決定した1月31日、脇村会長は「選抜大会出場校に自覚ある行動を望む」と題した通達を、全チームあてに送っていた。
 度重なる不祥事に危機感を覚えた会長の異例の行動だった。「野球部員である前に高校生であることを自覚し、節度ある行動を切に要望する」と促した。だが、結果的に思いは伝わらず、「大きな教訓」として、改めて訴えることになった。
 ただ、卒業する上級生の不祥事の責任を、下級生が取る形になった今回のケースは想定外だった。先の通達について「1、2年生による現チームを対象としたものだった」と反省。「3年生も卒業するまでは野球部員。(指導の)行き届きがおろそかになっている懸念がある」として、新たな通達で、部活動を離れた3年生にも自律を徹底させる考えを示した。
 また、高野連の規定で部員登録が「卒業日まで」とされていることに関し、「卒業日は卒業式の日にちを指す」と説明。このため、今月1日の卒業式当日に飲酒、喫煙した3年生については「現役部員だった」との見解を示した。【堤浩一郎】
(毎日新聞) ‐3月3日 21時31分 更新