夫の家事が増えると、子供がうまれやすい?

また「興味深い」ニュースが見つかりました。
「夫が家事育児を多く担当すると、子供がうまれやすい」らしい。

仮にこの命題が正しいとして、以下考えてみる。
すると、まずロジックが不明。夫が多く家事を担当するとなぜ子供がふえるのか。
次に家事担当時間が減っても20%は子供が生まれている。家事時間が増えた場合の30%と減った場合の20%に統計的な有意があるのかどうか不明(たぶん無い)。

以上だけでも見出しは間違っていて、仮に子供の生まれやすさと夫の育児時間に相関関係があるとして(実際にあったとしても弱い相関だろう)、さらに無理やり因果関係を見出すなら、子供が1年以内に生まれる=妻が妊娠中なので、夫の家事時間が30.4%のカップルで増えているだけだろう。要するに見出しとは逆です。(それより個人的に気になるのは妻が妊娠中なのに夫の家事時間が増えるのが30.4%、逆に減るのが20%あるのかという点。)

こんな見出しつけるのは明らかにイデオロギーの反映だし、イデオロギー反映させるならもっとうまくできないのものかな。

厚労省が間違いと知りつつあえて出した「おやじギャグ」としてもつまらん。それよりもっとまともな育児支援策を考えて欲しい。

さらにマスコミもこんな「おやじギャグ」を報道しなきゃいいのに。(時事通信は見出しに?が付いてるけど、読売はたぶんマジで報じている)


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060308-00000014-yom-soci

夫の家事や育児、子どもの生まれやすさに影響

 厚生労働省は8日、子育て世代の意識を調べる「成年者縦断調査」の結果を発表した。

 それによると、夫が家事・育児に充てる時間の長さや、妻の勤務先の育児休業制度の有無が、子どもの出産に影響している。

 調査は、2002年に20〜34歳だった人を毎年追跡し、結婚、出産、就業についての意識などを聞いている。今回は04年の第3回調査分で対象者は約2万人。

 「子どもが欲しい」と考えていた夫婦のうち、夫の休日の家事・育児時間が増えた場合、30・4%が1年以内に子どもが生まれていた。逆に減った場合は20・2%にとどまっていた。

 職場に育児休業制度がある既婚女性のうち14・3%が出産していたのに対し、制度がないと5・2%にとどまり、差がくっきりと浮かび出た。

 また、子どもが「3人ほしい」と思っていた夫婦の約3割が、2番目の子どもが生まれた後に、「2人でいい」と思い直していることもわかった。

 一方、正規採用で仕事をしている男性は、この2年間に10・5%が結婚していたのに対し、パート、派遣など非正規の仕事の男性で結婚したのは3・3%だけだった。
(読売新聞) - 3月8日21時28分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060308-00000085-jij-soci

夫の家事参加で少子化歯止め?=育休有無で出産3倍近い差−成人追跡調査・厚労省

 夫の家事・育児への参加時間が増えた夫婦や、もともと長い夫婦は、子供の生まれる率が高いことが8日、厚生労働省の「21世紀成年者縦断調査」で分かった。妻の職場に育児休業制度があるかどうかで、出産や就業継続に3倍近い格差があることも明らかになった。
 調査は少子化対策などの基礎資料とするため、2002年10月に20〜34歳だった人を対象に、結婚や出生、就業の状況を毎年追跡している。第3回の今回は04年11月に実施。対象約2万8000人中、約2万400人から回答を得た。 
時事通信) - 3月8日17時0分更新