センター試験

昨日今日、自分が不動産屋を回っている間、受験生55万人がセンター試験を受験してたわけです。塾の仕事をしていると受験生の生徒の出来も気にならないこともないのですが、案の定英語のリスニングで問題が発生しました。約450件くらい。全国55万人のほとんどが英語を受験するでしょうから、450/55万=0.081%の故障率。この数字は一見低いように見えるが、それでも受験生一人ひとりのことを考えると、高いように思う。

1年間勉強してきて、リスニングの機械の故障で調子を崩されるのは本当に残念。再テストしても心理的な影響はゼロではないから、その時点で公平とはいえない。英語で失われた調子が他の教科に波及することは十分考えられる。

それでも無理にリスニングするのは受験生1人1人にまで注意を配っていない証左だろう。自分も某W大学の試験で問題にミスがあって、そのミスがある問題についてとりかかって考えていたところ、試験管が時間がたってからミスについて黒板に書かれたことがあるが、その時は余計な時間を使ったことで焦って、正常な頭で試験に臨めなくなった。試験する方からすれば大勢の1人だが、試験を受ける方は1年ないし数年の努力がその数時間にかかっているわけだから、本当に怒りをおぼえた。

今回のリスニングの問題も、英語の時流にあわせるほうがメインで、あんまり受験生のことは考えていないなと感じた。もちろんミスはさけられない。ただ印字ミス・誤字がある場合には取り替えてもらって再度読めるなどのある程度取り返しのつくミスと、今回のリスニングテストのようにミスがあっても問題が繰り返されないように取り返しのつかないミスとは分けて考える必要がある。

後者の問題に対して対処できないなら、55万人が同時刻に一斉に受験するセンター試験ではリスニングを導入するべきでないだろう。どうしてもリスニングが必要なら2次試験で個別に大学ごと、私立なら学部ごとにやる方が受験生にリスクをかぶせるようなことにはならないと思うのだが。

ちなみに、自分が受験生の時のリスニングテストは教壇からラジカセで大きな音で流すものだった。あれも座る位置によって聞こえ方が異なるので厳密には公平でないのだが、みんなで一斉に同じ音を聞くという点では、一人ひとり機会を渡してその機械が故障するより、公平なテストだったように思う。もちろん今回の事件も約450件すべてが機会の故障とはいえないだろうし、受験生が故障だと嘘をついて再テストを受けた部分もあるだろう。ただそこでも嘘をつける受験生とそうでない受験生の間に不公平が生じてしまった。

さらにちなみに。そもそも50万人以上が一斉に同時刻に試験問題を解くというのも、考えてみれば気持ちの悪い話だ。試験そのものも無機質でつまらないし(基本的な良問が集まってはいるけど)それに比べて2次試験は悪問もあるが、大学ごとに色があって解いてて面白い問題もあった。

センター試験に関するニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060121-00000014-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060122-00000005-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060122-00000096-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060118-00000023-maip-soci