読了

対話の回路―小熊英二対談集

対話の回路―小熊英二対談集

小熊さんの新刊を先週読了。

戦争が遺したもの

戦争が遺したもの

の中でも見せていたように、新刊でも相手にどんどん突っ込んでいます。それが彼なりの信頼・尊敬の表明なんだろう。何気に参考になるのは、最終章で自分の研究に対する考え方・やり方を語っている章。普通研究者は完成品を論文・著作としてみせるだけで、プロセスは見せないから貴重な対談だと思います。もちろんその他の章も読む価値あり。

でも『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』以降は、昔のものを出版したり(『市民と武装 ―アメリカ合衆国における戦争と銃規制』)対談集を出したり。書き下ろしの著作としては『<民主>と<愛国>』がとりあえず最後なのか?『<民主>と<愛国>』で歴史の時期としても60年代にまで迫ったし、言説分析という手法を変えるわけにもいかんだろうし。しかも『占領と平和―“戦後”という経験』も出たことだし。

ただ新刊のなかで、もう一回マイノリティの研究してもいいかなということも言ってたので、もう一度時期区分を戦前とかにさかのぼるのかな。今後も楽しみにしてます。