英語文献
一般的にはGWもほとんど終わりかけで帰国ラッシュとかなんでしょうか。でも大学院生(研究者見習い)の生活はGWだろうが、GWでなかろうがたいして変わりません。
社会人なら自分の時間は仕事(会社)によるんでしょうが、研究者は比較的フレキシブルに時間を調整できます。いいかえれば、オンとオフ、平日と休日の区別はほとんどありません。
そんなGWですが、読もう読もうと思っていた英語の文献をまとめて読みました。
まず
- 作者: Richard Florida
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2003/12/24
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1章The Transformation of Everyday life,4章The Creative class,15章From Social Capital to Creative Capitalを読む。
筆者は時代とともに労働力の主力がWorking class→Service class→Creative classと変化してきたことを主張。creative classは個人的で自分の長所を活かし、多様な人々であり、またcreative classはAustinやTexasといった場所にとりわけ見られるらしい。現在の社会経済における重要な要素としてCreativity(創造性)に注目して、新たな階級の出現とそれ以外の階級のディバイドを論じている。
次に
The Craft of Research (Chicago Guides to Writing, Editing, and Publishing)
- 作者: Wayne C. Booth,Gregory G. Colomb,Joseph M. Williams
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 2003/04/14
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3章と4章を読む。非常にためになる。
研究にあたって「問い」の設定は非常に大きな比重を占める。しかし「〜だろうか」という「問い」にも様々なレベルのものがあり、研究で解くべきは単なるInterestやTopicではなくQuestionであることを学ぶ。改めて「問い」がQuestionになっているかどうか、「問い」の形をしたTopicにはなっていないかなどと考えさせられる。
こうしたInterest、Topic、Questionの区別をつけること、具体的にどういった方法で研究をすればよいか(研究の方法論)は、その重要さにもかかわらずあまり大学では教わらない。
少し、3章のまとめのところを引用しておく。
To summarize: Your aim is to explain
1.what you are writing about-your topic: I am studying・・・
2.what you don't know about it-your question: because I want to find out・・・
3.why you want your reader to know about it-your rationale: in order to help my reader understand better・・・
つまり何について、何のために、何を明らかにするのかということ。これらを明確に区別することから研究は始まるのだが、これを徹底することが実に難しい。
そして自分以外に共感される、興味をもたれる共通のQuestionをProblemという。
いままで異なるレベルのものをはっきり区別せずに(区別しようと努力はしているが結果的にこんがらがって)使っていたことを反省するとともに、日本語の教科書にはこうした「研究の方法論」のような書籍や学部での授業が少ないなと感じましたわ。
最後に
Social Capital: A Theory of Social Structure and Action (Structural Analysis in the Social Sciences)
- 作者: Nan Lin
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2002/09/15
- メディア: ペーパーバック
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日本語のソーシャル・キャピタルの文献はさほどないけれども、英語文献は質量ともに充実している。