「縁」と「時間」

みなさんはどんな気持ちで大学に入ってきたのでしょう。なんだか思いがけずに入ってしまった人、当初の希望どおり入ってきた人、ただ家から近いから入った人、第1志望に落っこちちゃった人・・・。様々な人がいると思います。どんな思いや意図にかかわらず、コルメロという1つの場に集い、1つのことを共に目指していく皆さんには、やはり何かの「縁」を感じます。もしもあの時、別のことしていて勧誘されなかったら・・。もしも説明会に行かなかったら・・。「縁」というものは不思議なものです。自分がどんな目的であっても、最終的に導かれてしまうもの。「縁」とはそういう人知を超えたものです。

個人的には、高校の時理系のクラスだったのに、今ではどっちか言えば文系だし・・、あと慶應に来るつもりはなかったし、入学した時SFCに行くつもりもなかったし・・、受験時に「経済学部」は1番興味なかったのに、今では専攻が「経済政策」だし。これも「縁」なのでしょう。本当に人生どうなっていくかわかりません。

そんなかんなで、入学後2年が経ち思うことは、「この2年は早かったけど、楽しかったな」ということ。入学後いきなり今の3男と出会い、4月中には早くも結束したし。まぁ、それから「奴ら」とはいろいろ「事件」を起こしてきたけど、振り返ると「楽しかった」。

自分自身がこの2年間というより大学生活で常に心がけてきたのは、「今しかできないことをやろう」ということ。思うに大学生の1番の財産は何かというと「時間」です。「時間」は不可逆なものです。したがって「今」はこの瞬間「過去」になってしまう。ですから、新入生のみなさんには、あとから振り返って「あの時こうしておけばよかった」とか「大学生活でもっと・・」なんて思わないように、「今しかできないこと」をやってほしいなと思います。僕はその「今しかできないこと」を入学早々に見つけました。そう思うと本当に幸福だなって思います。みなさんもこれからの「時間」が実り多きものになるように。

「トリッチトラッチ4月号。新入生によせて」より