ダメな会社とは
どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 小宮一慶
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/03/15
- メディア: 新書
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まずP72-73から引用。
ダメな会社は新規営業がうまい。
(中略)
実際、ダメな会社は既存のお客さまがどんどん逃げていくから、新規営業が上手でないとやっていけないのです。そうやって新規でお客さまを獲得しても、ダメな会社はお客さまを大切にすることができませんから、またそのお客さまはすぐに離れていくので、いたちごっことなります。そのプロセスで新規営業だけはうまくなるのです。既存のお客さまが離れていくのは、その会社に不満があるからです。その不満は悪い評判となって広がります。がんばって獲得した新規のお客さまも対応が悪ければまた離れていきますから、悪い評判を立てる人がさらに増えていきます。悪循環です。
会社はお客さまを見れば、そのレベルが分かります。よい会社にはよいお客さまが長くつきます。よい人には、長く続くよい友人がいるのと同じです。
京都あたりでは「一見客お断り」の料亭がありますが、これは、高飛車な営業をしているのではなくて、
既存のお客さまをより大切にすることがビジネスの基本であり、その方が結果的に儲かる
ということを長い経験から知っているからです。
引用文中の「お客さま」を「従業員」と、「新規営業」を「新規採用」と置き換えてもそのまま通用する話です。
もう一つはP124,125から
信賞必罰の趣旨は、厳しさを求めることではありません。むしろその逆で、「しっかり働いてくれる人に報いる」ということです。それによって、働く人が「もっとがんばろう」と思ってくれるからです。
それはそうでしょう。しっかり働いているのに報われないとしたら、しっかり働く人はアホらしくなってしまいます。企業にとって、しっかり働いてくれる人は、ほんとうに貴重です。逆に言えば、働かない人を働かせる為に罰するなんて、暇な会社のやることです。そんな暇があったら、がんばって働いてくれている人の待遇や環境を良くすることに注力すべきです。
ちなみに、ダメな会社とは、しっかり働く人がアホらしくなる会社です。そしてダメな会社は、できる人から辞めていきます。アホらしいから。よい会社は、働かないでプラプラしている人がいづらい会社です。会社は働きに来るところだからです。もちろん、病気などの理由で働けない場合には、面倒をみるセーフティネットも必要です。
たしかに優秀な人間が辞めるのをみると「この会社大丈夫か」と思いますね。