SIerの将来と自分のキャリア

この2ヶ月自分のキャリアについて考えることが多くなった。

そして自分はシステム構築という作業から興味を失っていることに気付く。
それは単に自分に合っていないのではということもあるのだが、そもそもシステムって儲かるのかという疑問がわいてきたことがある。


以前に行っていたプロジェクトでオフショア開発の窓口を担当したのだが、見積をとった時にすぐにわかるのは「単価の違い」である。中国でも日本の数分の一、インドはさらに安く、ベトナムはそれに輪をかけて安い。

しかもプロジェクトの方法論・工程もきちんと説明してくれたので、日本側から「きちんとした仕様書」を出せばそれなりのモノが出来上がって来るのではないかと思った。(もちろん、きちんとした仕様書を作って、英語で管理するコストは別に見なければいけないが)


そして今ではユーザ企業側で、ベンダーに発注する作業を隣で見ていると、相ミツをとって決裁を上げてとそれなりに大変そうで、どうしても金額(コスト)に目がいく。購買部にも安い方が発注を説明しやすい。何よりユーザ企業としては、それなりに動いて業務が回れば、少しでもコストは安い方が良い。

その結果としてベンダーとしては提示額と受注率を見比べながら駆け引きするのだが、競争相手も多いので、どうしても単価が高いと受注率は下がるし、受注できても金額が安くなりやすい。受注額が安くなってしまった分は、下請けを買いたたき、さらにその下請けは孫請けを・・・という流れになるのではないだろうか。


オフショアにも競争相手が広がるコスト競争から逃れるには、組み込みとかのニッチを攻めるか、コンサル領域への進出とかブランドでの差別化を図るしか無いのだろうが、簡単ではない。システム構築企業はパッケージ導入企業とも競争しなければいけないし、SaaSという流れもあるし・・・と、今後SIerが儲かるように思えないのだ。
何より懸念材料は3Kとか言われて優秀な学生の気を引けていないことだ。


少なくとも自分は今年に入ってシステムの仕事をしていないし、今後もあまりやりたいとは思わない。システム構築のいわゆる上流工程から下流工程までプロジェクトライフサイクルを2回ほど経験させてもらったことは今の自分のためになっているし(事業会社にいるとプロジェクトでの効率の良い仕事の進め方とかシステムの知識が思わぬ形で役に立って感謝されるとか)、感謝もしているけれども、今後の自分のキャリアは別の方向性を考えている。(ちょうど今携わっているような定量的なマーケティングは興味を持ってできる仕事の一つ。)