就職活動の「失敗」

GWも過ぎて、新卒の人が現場に配属される企業もでてくるころだ。

初めは仕事に目新しさ、新鮮さも感じるが、慣れてくると違和感も感じるようになる。

「こんなことは聞いていない」「思っていた仕事と違った」「面白くない」「希望の配属ではなかった」「まわりの人間とうまく付き合えない」など、不満を感じてくる。そして自分の就職活動は「失敗」だったのではないかと疑念がわいてくる。

そんな気持ちを秘めたまま、1ヶ月、3ヶ月、半年と過ごし、辞めてしまう人も出てくる。


だが、どんなに就職活動に時間をかけて情報を集めて吟味しても、そもそも企業に入る前に企業の現場のすがたを知ることはできない以上、思っていた姿とのギャップを感じる方が普通である。

理想は企業のことを深く知った上で選択ができればいいのだが、実際は企業の選択時点で必要な情報はなく、必要な情報が増えた時点で選択は既に終わっている。
また企業を選択し希望通り入社できたとしても、部署や職種、そして何より上司を中心にした周りの人間関係は選択できない。


その意味で自分の就職活動が「失敗」だったとと思うのは当然の結果で、自分だけでなく皆が就活に「失敗」するのだ。

そうした「失敗」は共通だとしても、差が出るのは「失敗」からどうするかだ。不満に思いながらも、お金をもらっている以上は「はい、やります」とコミットし、黙々と努力をして成果を残すことができるか否かで、同期との差がつく。そして一度ついた差は逆転しない。(本当は学生時代の過ごし方によって入社前に既に大きな差がある。)


初めの配属は自分で決められないにせよ、そこで黙々と努力をして成果を残せば、次は重要な仕事に付けるし、重要な仕事につけばより努力をして成果を残そうとする。そしてスキルを形成しさらに重要な仕事につけるようになる。

会社は仲良しクラブではないから、文句ばかりで成果の出せない人と黙々と努力し成果を出す人の待遇には、はっきり差をつけるし、そうするのが会社にとっても利益を生み出す上で合理的なのだから。


多くの人が決まって言うように「最初が肝心」である。とはいうものの、「最初がキツい」ことも確かだが。


最後に。自分が入社当時に先輩から言われたのをメモして、今も心に残っている言葉がいくつかあるが、改めて記す。

  • 「プロは相手を主語にして考え、アマチュアは自分を主語にして考える。」
  • 「相手の感じる結果が全て」
  • 「自分ならできると思えば、やればいい。ただそれだけ」
  • 「優秀な人はどんな環境でも成長し、ダメな人はどんな環境でも成長しない。」
  • 「ビジネスマンは商人。笑顔、あいさつ、感謝」
  • 「スピードが一番大事。スピードが無いと仕事がもらえない」
  • 「環境を変えるのは自分」
  • 「仕事の責任は自分」
  • 「自分から仕事をもらう」
  • 「理不尽を感じること」
  • 「愚痴は聞いても、まだ文句は聞かない」
  • 「プラスマイナスを考えずに仕事をする」
  • 「自信>プライド」
  • 「これからは自分で能力を伸ばす」

時が経って、これらの言葉は随分と自分のなかでしっくりくるようになったし、仕事のできる人は決まって同じことを言うのに気付く。