マクロデータとミクロな実感の齟齬

今のお客さんがモバイルの会社で、とある製品のプロジェクトに関わっていることもあり、携帯電話の売り場を観察してみた。日頃の業務に直結するわけではないが、どういうお客さんがいつ店にいて、見たり触ったり買っているのかを調べてみようと思った。

平日の仕事終わりに新宿と、休日の午後に渋谷にいって観察をしてみると、意外なことがわかった。


・新宿、渋谷とも共通してD社のブースの周りには一番人が多い。違いは、平日夜の新宿では30・40代の男性が多いのに対し、休日の渋谷では20代くらいのカップル、20・30代くらいの女性が多かったこと。

・K社のブースはD社の次に人が多く、新宿・渋谷ともにカップルが目についたが、渋谷の方は20代前半男性の男性も複数いた。

・S社のブースとW社のブースには、あまり人がいなかった。W社のブースで男性がしげしげとアドエスを見ていたのは想像通りだとして、意外にS社にはあまり人がいなかった。9ヶ月連続純増1位なのに、人がいないのは意外でした。


限られた時間と場所での観察の結果は、「純増の順位と実際の売り場ブースの周りにいる人の数は逆相関の関係にある」ということ。


そこから得られる仮説としては、「S社は法人契約が多いのでは」というもの。法人契約といえばW社のイメージが強いが、WWプランでS社も法人契約を伸ばしているのかも。メールのやりとりなどデータ通信ではW社の方が安い(メールは無料)のだが、地方とか出張する営業さんには携帯の方が電波が確実に入り便利だろう。通話料金だけを比べると、S社のWWプランとW社の法人プランとはあまり変わらないが、地方ではW社の電波が入らないこともある。

あと思いつく仮説は「家族がそろって日曜にS社の直営店に行っている」というもの。家族で契約するのに、渋谷には行かないから。ただこれは仮説というよりは、思いつきのレベル。

他には、「携帯を手に取ることが実際の購入につながっていない」ことも仮説として考えられる。端末に関心はあるが、料金プラン等の理由で実際には買わないのだ。自分も長年D社で端末にはあまり不満が無かったが、料金の面でW社に乗り換えた経験を持っている。


上記は、限られた時間と地域での観察に基づいた発見と仮説で間違っている可能性も多いにあるが、調べていくと面白いかもしれない。