マニフェスト・サイクル

今月29日に参院選を控え、各種メディアで参院選特集が増えてきている。例えば、「とくダネ!」は、朝から1時間以上も各政党の政策責任者を集め、討論を放送していた。

放送の際には、各メディアが立候補者に密着するのみならず、マニフェストにも言及が見られる。ただしあくまでもマニフェストの要約であったり、要点を絞って紹介がされる。

マニフェストへの言及そのものは望ましいことではあるが、やはり「もの足りなさ」は否めない。何が足りないかというと、過去のマニフェストへの「検証」が欠けているのだ。

マニフェストには、何を、いつまでに、どのくらいの予算で、実行するのかが記載される。逆にそのような具体的な数値・根拠のないものは「ウィッシュ・リスト」とされ、聞こえは良いが実現不可能な政策集として扱われる。

マニフェストに具体的な数値・根拠を書くのは、後々検証可能なようにするためである。そして、数値をもとに、どの程度政策が実現したのかを検証し、次の投票に備える。

マニフェストへの投票→政党が政策を実行する→実現率の検証→次の投票」というマニフェスト・サイクルこそが、マニフェスト導入の意義であろう。

検証なきマニフェストは、できたらいいなというウィッシュ・リストと違いは無くなる。その結果として、「公約無視」が政治の場で続くことになる。マスメディアには、今回のマニフェストと合わせて、過去のマニフェストの検証も行ってほしい。ただマスメディアで不可能なら、各自がインターネットで調べれば良いだけである。

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