「自己成長」による動機付け

さて、最近働くことの動機付けを考えてみると、大きくは1.お金 2.名誉 3.自己成長に分類できるのではないかと思う。

1.お金は最も汎用性の高い動機付け方法。お金があればあるほど、欲しいものと交換できる(お金が交換の媒体となる)。

2.名誉 これは「所属」という感覚と深く関係していて、ネームバリューのある大企業に属す、官庁を始めとした公的機関に属すことからくる動機付け。名誉ある共同体に所属しつづけるために働く。

3.自己成長 これは自分の力を試したい、自分を成長させたいという感覚に根付き、起業したり、スピードの速いベンチャー企業に入って共に成長するというもの。

とりわけ3に限ると、ただお金を稼ぐだけでなく「個」として勝負したい、面白いことをしたいという感覚が背後にあるのだろう。だが「自己成長」という曖昧な言葉は企業からすれば、曖昧であるがゆえに様々な意味を付与でき、そして何よりも言うだけタダだから便利な動機付け方法となる。

もっというと長時間労働、キツイ労働も「それがあなたの自己成長につながる」ということで、働き手を鼓舞し実行にうつさせる。

自己成長のような意味による動機付けは、有効な動機付けとなりえる一方で、非常に問題のある動機付け方法になりえるのではないかと考えている。