会社でのコミュニケーション

会社の中で大なり小なりプレゼンをすることが多い。
ただ最近思うのは、会社の中でのコミュニケーションのわかりやすさと
正確さのアンビバレンツ。

わかってもらわないと意味が無いというのも正しいが、わかりやすくするために
必要な要素、正確さを犠牲にしてもよいということにはならない。


専門用語を使えば、厳密にそして効率的に伝わる。でも分かる人にしか
分からないからそのリーチは狭い。

一方、平易な言葉で伝えると、多くの人にわかってもらえるが、
やはり専門用語とのズレは出てくるし、日常用語の意味にひきづられて
「誤配」される可能性が増える。そして何より時間がかかる。
平易な言葉で時間がかからないとすれば、それは伝えるべき何かを
削ぎ落としているからでなかろうか。


そして論より情を優先させるコミュニケーションは効果的に伝わることもある。
ただ状況依存的で、その場を良く知らないと失敗する。

一方、情より論を優先させるコミュニケーションは、時に回りくどくなることも
あるが、一般的である。


このようなコミュニケーションに関する背反を最近しばしば感じる。
自分としては、論理的に正確さを期したコミュニケーションを優先させいし、
必要な要素を落としてまで簡単な言葉で語りたくは無いし、曖昧なことを
パフォーマンスで分かった気にさせたくもない。

ただ分かってもらわないといけないので、できるだけ簡単な言葉で伝える。
その時には時間がかかってもしかたがないと思っている。
そして自分にストレスが残っても、聞き手が望むなら、正確さよりわかりやすさを
優先させる。仕事だから。

しかし、大学院時代に可能だった、自分の考えをストレートに表現することが
できなくなったのも確かだと感じる。わかりやすく伝えることも出来るが、
自分のなかでは不満がどこか残っていることが多い。


以上様々書いたが、会社という言説空間の中で、コミュニケーションの
アンビバレントを感じ、自分の中で保持しつづけるすることは
新たな発見につながるため、重要なことだろう。