なぜ「話」は通じないのか
今日はゼミのあと、ドト−ルにてコーヒーのみながらいつものように文献を読む。あわせて先週発売のスモークチキンベーグルを食べる。ずっと食べよう食べようと思いつつ、売り切れだったりして食べられませんでしたが、ようやく食べられました。個人的には久々にヒットです。ちょっとピリ辛なのがアクセントになってて美味いです。また食べよ。
そしてその後、本屋をぶらぶらしてたら
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そのうち
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最初立ち読みすると面白い。どの部分を開いても―読んでてチクリと感じる部分もあるが―やっぱり面白い。そのまま購入する。
家に帰ってじっくり読むと思わず声を出して爆笑することも。
例えば、
自分の耳に入ってきた、たった一つの単語やフレーズにのみ反応するのがいる。どういう文脈で使っているのか、肯定的な意味で使っているのか、否定的な意味で使っているのかさえ関係なく、単純に「言葉」それ自体に反応するのである。例えば、「マルクス主義的な階級闘争史観は・・・」という台詞だけ聞いて、「先生は、まだマルクス主義の階級闘争史観に拘っておられるのですか、今の時代に・・・」―それは、おまえだろボケ!―と反応したりする類である。(中略)この手の人たちは、まるで陰陽師が出てくる時代小説の中のように、特定の言葉には「呪(しゅ)」がかかっていて、それを下手に口にするととんでもない災いが起こるとでも思っているかのような感じである。(p28、29)
「呪」って(笑)、思わず野村萬斎を思い出しました。たしかにこういう類の人いますね。例えば「市場」っていう言葉に反応してしまう人とか。そういう人たちにとっては「市場」→「市場原理主義」=「弱肉強食」という風に「勝手に」想像する人。
そういう人は
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あと
ちょっと話はずれるが、「日本の植民地のことは、社会の授業で教えてもらわなかったので、大学に入るまで知らなかった。権力者は、受験勉強によって僕らの目を眩ましていた」などと、平気で言ってのけるバカがいる。テレビの番組で、現代史教育の問題が取り上げられる時、頭でっかちの若者がそういうことを言うと、女性アナウンサーが「私も受験の時に教えてもらえませんでした」、と相づちを打つというバカに輪をかけたような光景がよく出てくる。アホらしくて、付き合っていられない。こういう人たちにとっては、一般国民がイラク情勢に関心がないのも、日の丸・君が代の押し付け問題に無関心なのも、政府によって考えられないように「させられている」せいであり、自分たちはそれを見破って、国民に「真実」を伝える使命があるのである。だったら、「おまえたちがそういう寝言を言っていること自体が、政府の洗脳の結果ではないのか」と私は思うのだが、ワン君は理解しない。
(p146、147)
前フリ、ツッコミと完璧です(笑)。ちなみにワン君とは、パブロフの犬にように、ある言葉にのみ過剰反応する人たちのことです。
こんな調子なので、思想の用語を使いつつ、こんなに面白いの初めてですわ。