首相公選制について

今日は少しマジメな話です。現在、小泉政権の発足時に「首相公選制」について、騒がれましたね。この首相公選制は今となっては、議論になることは少なくなりましたが少し意見を書きます。

率直に結論から言うと、僕はこの首相公選制なるものには反対です。その理由としては、首相公選制は理論的に「独裁者」を生み出す制度である、ということです。首相のリーダーシップというメリットもたしかにありますが、そのリーダーシップを上手くつかって全権を掌握した代表的な例はヒトラーでしょう。しかし、独裁者となるにはそれだけでは十分ではなく、「国民の熱狂」というものが必要であると思われます。では、その「国民の熱狂」はどのよううして生み出されるかというと、マス・メディアによってです。一気に大勢の人間に情報を送れるマス・メディアによって、実際の人物とは違った虚像が作り出されます。そして、国民の熱狂が起きるわけです。

そうした熱狂時には普段出来ない法案が支持のもと通ってしまうことがあります。そして全権を掌握した独裁者が生み出されます。これまでの議論からわかるように、首相公選制は第1に理論的に独裁者が生み出される可能性を秘めていること、第2に必然的にマス・メディアがより大きな影響力をもつ制度であることが挙げられます。ですから、政策うんぬんよりもメディアの扱いが上手い政治家が首相になりやすい制度である、といえます。

また、現実問題として、議院内閣制と首相公選制はどう両立していくのかという問題点もあります。すなわち、首相公選制を実施しようとすれば、抜本的な制度改革が必要となってくるのです。